助けたおじさんが実は店長で…
2026/9/21 18:02
面接に向かう途中、おじさんが荷物を落として困っていました。
時間を見ると、面接開始まであと10分。
ここで荷物を拾うのを手伝ったせいで少し遅れてしまう。
それでもなんとか手伝って、面接会場へ着いたら――
さっきのおじいさんが社長室のイスに座っていた!
「君の行動は見ていたよ。採用だ!」
残念ですが、そんなことは起きません。
そんなに社長は暇じゃない!
でも、ああいう話がずっと使われるのって、結局みんな「人が見ていないところで何をするか」に、その人の性格が出ると思っているからなんでしょうね。
誰かに評価されると分かっているときに親切にするのは簡単です。
面接官の前なら、たぶん誰でも良い人になれます。姿勢も良くなります。
普段より「ありがとうございます」も1.3倍くらい増えます。
でも、誰も見ていないときはどうなのか。
「人間性」というのは、そういうときに出ると思います。
「人間性を評価しています」
資格や頭の良さとか色々あるかもしれませんが一番大切なのは
人間性ではないでしょうか
仕事ができるかどうかより先に、そっちを見ています。
じゃあ人間性って何なんだ、という話なんですが、これが結構説明しづらいです。
道徳とか倫理観とか、そういう言葉になるんでしょうけど、それを言い始めるとまた難しい。
「思いやりを持ちましょう」
「相手の気持ちを考えましょう」
正しいです。
正しいんですが、事務所にそんな標語を壁に貼りたいわけではありません。
もっと小さいところです。
たとえば、自分がミスをしたときにどうするか。誰にもバレていない。
このまま黙っていれば、おそらく何も起きない。
そんなときに、
「自分、やっちゃいました💦」
と言えるかどうか。
たったそれだけかなと思います。
人間って「怒られそうだな」とか思った瞬間に、脳みそがものすごい速度で言い訳を製造し始めます。
普段そんなに頭の回転は速くないのに、こういうときだけ本気を出ちゃうんですよね。
「いや、確認した時点ではこうだったので……」
「たぶんその前の人が……」
「認識としては……」
認識としては、じゃないんです。
やったか、やってないかです。
もちろん本当に事情があるなら話せばいいんですが、責任から逃げるためだけの言葉って、聞いている側には意外と分かります。
一回のミスより、そっちのほうが気になります。
逆に、
「すみません、これ自分です」
と言われたら、話はすごく早い。
じゃあ次から気をつけよう、で済むことも多いです。
仕事をしていればミスなんてあります。人間なんでね。
パソコンですらたまに固まったり重くなったりますし、人間ならなおさら固まります。
「ミスをしない人」を探しているわけではありません。
ミスした後に変な言い訳をしない人のほうが探しています。
これも人間性の一つですね。
「人間性」と言っても、聖人君子を探しているわけではありません。
休日に地域のゴミ拾いをして、毎朝5時に起きて、困っている人を見つけたら必ず助ける。
そうじゃないんです。もっと普通でいいんです。
約束したことは守る。
分からないなら分からないと言う。
ミスしたらごまかさない。
人によって露骨に態度を変えない。
誰かが困っていたら、知らん顔しすぎない。
本当に小さいことです。
でも結局、その小さいことの積み重ねがその人なんだと思います。
仕事ができる人と、人間性がちゃんとしている人って、必ずしも同じではないのみ難しいことのひとつです。
ものすごく器用で、何でもすぐ覚えて、判断も速い。
でも、自分に得がないことは絶対やらない。
逆に、最初はちょっと要領が悪くても、何かあったらちゃんと報告するし、他人のせいにはしない。
どちらを長く信用できるかと聞かれたら、後者です。
能力は後からいくらでも成長できます。
最初は遅かった人が慣れて速くなることもありますし、知らなかったことを覚えることもできます。
でも、人に見られていないところでどう振る舞うかは、そう簡単には変わりません。
人間性を成長させるのは難しいです。
以前は、仕事ができる人ってのは「テキパキしている人」のことだと思っていました。
誰より早く動けるとか、判断が速いとか、そういう人です。
もちろんそれも立派です。
ただ、一緒に働く時間が長くなるほど、
「この人なら変なことしないだろうな」
と思えることのほうが、だんだん大きくなってきます。
少し地味ではあるんですけどね。
学歴とか、見た目とか、話がうまいとか、そういう分かりやすいものでは測れない部分です。
面接の短い時間だけで全部分かるわけでもありません。
だから、入ってから見えることもあります。
誰も気づいていないゴミを拾うとか、誰かが置きっぱなしにしたものを端に寄せるとか、自分に関係ないミスでも気づいたら一言伝えるとか。
本人は評価されようと思ってやっていない。
たぶん、そういうところが一番分かりやすいです。
人間性なんて大げさな言葉を使いましたが、結局は、
と思えるかどうかなんでしょう。
仕事ができるだけでは足りない。
かといって、ものすごく立派な人である必要もない。
普通に約束を守って、普通に人を尊重して、変なごまかしをしない。
その「普通」ができる人こそ、評価されるべきだと僕は思います