くしゃみをしたあと、つい「ちくしょー!」とか「くそったれ!」とか言う人、いますよね。
今では“クセ”や“照れ隠し”で済まされがちなこの言葉、
実は昔の人にとっては立派な意味を持つ行為だったようです。
鎌倉・室町時代の人々は、
くしゃみをすると体から勢いよく息が飛び出すため、
「一緒に魂まで飛んでいってしまう」
と信じていました。
・・そんなに勢いよく魂も出ていくのか、と
現代人の私は思ってしまいますが、
当時はかなり真剣に信じられていたようです。
そして魂が抜けた“スキ”に、
悪い気(邪気)が入り込んでくると考えられていました。
そのため、くしゃみのあとに
大きな声で悪態をつき、邪気を追い払う
という風習があったのだそうです。
いわば、昔ながらの“セルフお祓い”。
くしゃみ後の「ちくしょう!」は、
今でいう“邪気よ来るな!”の掛け声だったわけです。
くしゃみした瞬間は、
「魂、ちゃんと戻ってこいよ〜!」
くらいの“ゆるい気持ち”でいきましょう。