経営理念とマニュアルをつなぐ「原理原則」という考え方ユニクロという会社は、ただ服を売るだけの企業ではありません。
一人ひとりの社員が、経営理念を自分の仕事に落とし込み、考えながら動けるようにする仕組みを持っています。
その要(かなめ)となっているのが「原理原則」です。
■ なぜ“原理原則”をつくったのか
会社が大きくなればなるほど、理念と現場の間に「距離」が生まれやすくなります。
ユニクロでは、それを埋めるために各部門ごとに「原理原則」を設定。
経営理念と日々の業務をつなぐ“中間の言葉”として機能させています。
たとえば、店舗経営・商品経営・人材育成など、それぞれに原理原則が存在。
特に2023年には、教育部門の原理原則が完成し、翌年には現場スタッフ向けに
『店はお客様のためにある』『商売の原理原則』『チームで働く原理原則』といった冊子もつくられました。
■ マニュアルと何が違うのか?
マニュアルは「どう動くか」を示すもの。
一方、原理原則は「なぜ動くのか」を考えるためのものです。
役割 マニュアル 原理原則
目的 動きを統一する 判断と行動の軸をつくる
対象 手順・方法 考え方・価値観
結果 指示通りの行動 自律的な判断
つまり、原理原則は「考える力を育てる教科書」と言えるでしょう。
■ “最高の商売”とは何か
「商売の原理原則」には、ユニクロの哲学が詰まっています。
それは、“一度売れた商品を量産して売り切る”ことではなく、
「ひとつの商品を永続的に改善し続けること」。
たとえば、ヒートテック。
毎年のように素材や着心地を改良し続け、リピーターを増やし、
今では“冬の定番”として定着しました。
最高の商売とは、売り切ることではなく、
飽きられない努力を続けることなのです。
■ 一人ひとりの“自分ごと”として
多くの商品を扱うユニクロだからこそ、
一つひとつの商品に魂を込める「一品一魂(いっぴんいっこん)」の精神を大切にしています。
この“原理原則”は、社員全員が自分の仕事を「自分ごと」として捉え、
判断や行動の軸にするためのツール。
理念をただ唱えるのではなく、
理念を現場で生きた言葉にする。
そのための“原理原則”なのです。
■ 今日の学び
「なぜそれをするのか?」を考え抜いた先に、
“原理原則”が生まれる。
日々の仕事でも、「マニュアル通り」だけでなく、
自分なりの“原理原則”を持って行動することが、
本当の意味でのプロフェッショナルにつながるのかもしれません。