自然は、季節に応じて花が咲き、葉が枯れ、実を結び、また枯れていく。その流れには「私心(わたくしごころ)」も「野心」もなく、ただ素直で秩序正しい。
一方で人間は、困難にあうと野心を起こし、欲や私心に振り回されてしまう。
だからこそ自然の理(ことわり)から離れ、落ち着きを失ってしまう。
時節を誤れば、花は「狂い咲き」になる。
人間もまた、進退や時機を誤ると、自らを傷つけ、他人にも迷惑をかける。
それだけに、人は自然の理を静かに見つめ、自分の「処し方(進退の節度)」を考える必要がある。
自然のように素直に、時をわきまえて生きる。
それが、人としての落ち着きと美しさにつながる。