野球で使うボールは白いので「白球」と呼ばれます。 しかしプロ野球の試合では、おろしたての真っ白なボールがそのまま使われることはありません。 理由は、新品のボールはつるつるして滑りやすいため、公認野球規則で「試合で使う前にあらかじめ汚すこと」が定められているからです。 ボールを汚す方法 ・日本では「もみ砂」と呼ばれる砂を使う。 ・京都府京丹後市の琴引浜の白砂 ・鹿児島県の火山灰を含む黒土 → これらを秘密の配合でブレンドして使用。 ・2011年からは12球団統一でこの「もみ砂」が使われている。 アメリカ大リーグ(MLB)も同様で、デラウェア川の支流の泥を使い、ボールを汚す。 しかも「塗っても黒くならない」特別な泥で、その加工方法は企業秘密。 まとめると、 プロ野球やメジャーリーグでは、おろしたての白球は使わず、必ず「砂」や「泥」で加工したボールが試合で使用されている。 これは「滑りをなくすため」「投げやすくするため」に欠かせない工程であり、その配合や加工方法は厳密に管理されている。 これは私たちの仕事にもよく似ています。 ・新人スタッフが入店したとき ・新しい企画や仕組みを導入するとき 最初は“おろしたてのボール”と同じ。 ピカピカでも、そのままではうまく機能しないことがあります。 だからこそ、研修やフォロー、テスト運用といった「一手間」を必ず加えることが必要です。 それによって初めて、安心して現場で活躍できるようになるのです。 「新品=すぐ使える」ではない。 見えない準備や仕込みがあってこそ、力を発揮できる。 プロ野球のボールと同じように、 人も仕事も“馴染ませる過程”を大切にすることが、長く成果を出すための秘訣です。