古いソファに腰を下ろすと、店内にはクラシックやジャズが流れ、ブレンドコーヒーと一緒に玉子サンドやナポリタンを楽しむそんな光景を思い浮かべる方も多いかもしれません。
そして看板に「純喫茶」と書かれている店もあります。
では、この「純」とは何を意味しているのでしょうか?
純喫茶とは?
実は「純喫茶」とは、酒類を扱わない純粋な喫茶店のこと。
昭和初期には、お酒を提供したり、女性の給仕による接客で人気を博した喫茶店がありました。こうした店は「特殊喫茶店」と呼ばれていたのです。
そのため、
「うちはあくまでコーヒーや軽食を楽しんでもらう本来の喫茶店です」
と区別するために「純喫茶」という呼び方が使われるようになりました。
現代に置き換えるなら、秋葉原のメイドカフェのような「特殊喫茶店」に対し、落ち着いた昔ながらの喫茶店が「純喫茶」というイメージです。
仕事に置き換えると…
この「純喫茶」と「特殊喫茶」の関係、実は私たちの仕事にも重なります。
本来やるべき仕事を丁寧に続ける「純喫茶型」の姿勢もあれば、目を引くサービスや派手さで注目を集める「特殊喫茶型」の工夫もある。
どちらが良い悪いではなく、自分たちがどんな価値を提供したいのかを明確に示すことが大切なのです。
お客様に「ここはこういう店だ」と信頼してもらえるように、軸をぶらさず貫く。
まさに「純喫茶」の“純”には、そんな姿勢を思い出させてくれる力があるのではないでしょうか。