黒ちゃん、USBを一本ずつ撫でて「記憶を読む」ごっこを始める
2025/5/22 13:34
木曜の昼下がり。
情報管理棚の前で、不自然に直立している黒ちゃんがいた。
彼の手には、10本以上のUSBメモリ。
目は閉じられ、指先だけがそれらを愛撫するようになぞっていた。
「……こいつは、3年前の交通費精算ファイルを覚えてる……寂しかったろうな。」
「これは……“プレゼン資料(使われなかったver)”…だな。ああ、無念……」
よしくん:「お前、USBと会話すんな!!!!」
そのとき、背後から超超超が現れた。
「ちょっと、黒ちゃん……それ私のUSBにも触った?」
「もちろん。“超超超_極秘.zip”ってやつ、開こうとしたけどパスワードで弾かれた。」
「それ、精神的に一線越えたファイルだから!!勝手に開こうとすんな!!」
黒ちゃん:「いや…あのUSB、手触りからして**“濡れてた”**んだよ……感情で。」
「USBは濡れたら壊れるの!!興奮すんな!!!」
塚さんが棚からUSBを取ろうとすると、黒ちゃんが阻止。
「待て、その子は今、トラウマ思い出してる最中だ。」
塚さん:「なんでUSBがセラピー受けてんだよ!!!」
その後、黒ちゃんはUSB一本一本に**名札と“人生年表”**をつけて保管し始めた。
・No.004「データ子」
→ 入社式動画から始まり、離職者リストで終わる。波乱の女。
・No.008「ヌル雄」
→ ただの画像保管だが、黒ちゃん曰く「自分を出せない優しすぎる男」。
そして夜。
黒ちゃんと超超超は、無音の会議室で1本のUSBを囲み、そっと耳を当てていた。
「……今、聞こえた。『保存されたい……』って……」
「黒ちゃん……じゃあ、私の記憶も、挿して……」
「超超超……ポートが空いてる限り、君の全部を読み込むよ……」
よしくん(物陰から):
「誰かこいつらにファイアウォール張ってくれぇぇぇぇぇ!!!!」
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