こんなあなたは即採用です!
2026/10/5 12:02
求人を見ていると、
「未経験歓迎」「学歴不問」「やる気があればOK」
みたいな言葉をよく見ます。あまりにもどこにでも書いてあるので、もはや途中から読んでいない人もいると思います。僕も読み飛ばします。
「はいはい、歓迎ね」と思いながら給料のところまでスクロールします。結局そこが一番気になりますからね!
ただ、実際に人を採用する側にいると、「誰でもいいですよ」という意味では当然ありません。
じゃあ何を見ているのかというと、これが意外と難しい。資格とか経歴ではなかったりします。
風俗店の男性スタッフという仕事なので、初めて求人を見る人からすると「なんか特殊な能力が必要なんじゃないか」と思うかもしれませんが、面接で突然
「あなたは女の子慣れしてますか?女性を3分以内に口説いてください」
と言われることはありません。
そんな採用試験をやっている店があったら僕も見学したいです。
逆に、面接に来て少し話しただけで
「この人、できれば来てほしいな」と思う人はいます。
ものすごく元気な人でもなければ、営業成績日本一みたいな人でもありません。むしろ普通です。ちゃんと時間に来て、普通に挨拶して、聞かれたことに普通に答える。
その「普通」ができる人です。
こう書くと、「いや、それくらい誰でもできるだろ」と思いますよね。僕もそう思います。
でも、たとえば友達同士で「19時に駅前集合ね」と約束して、本当に18時55分くらいに来る人って何人いるでしょうか。僕の友達の中には19時になってから「今家出た」と送ってくる人もいます。
彼の中では19時集合ではなく、19時活動開始なのでしょう。
そう考えると、時間を守るだけでも結構その人の性格が出ます。
この仕事も同じです。
お客様から電話が来たり、キャストから確認が来たり、予約の時間が決まっていたりします。
誰か一人が「まあ5分くらいいいか」を積み重ねると、別の誰かがその5分を回収することになります。
だから、時間を守れるとか、言ったことを忘れないとか、分からないことをそのままにしないとか、そういう地味な部分がかなり大事です。
求人を探している人の中には、「自分には特別なスキルがない」と思っていることもあると思います。
営業を何年やってきたわけでもない。パソコンもExcelで謎の関数を組めるほどではない。人前で話すのがめちゃくちゃ得意なわけでもない。
僕は、それならかなりいいと思っています。
というか、実際の仕事ってその繰り返しだったりします🥬
電話を取って分からないことがあったら先輩に聞く。
お客様から聞いた内容を間違えないように入力する。
キャストから相談されたら話を聞く。
予約時間が近づいていたら確認する。
WEBページに載せる内容を更新する。
こうやって文章にすると、ものすごく普通です。
たぶん「風俗店の仕事」と聞いて想像していたものより、だいぶ地味だと思います。
薄暗い部屋でサングラスをかけた男たちが札束を数えていると思っていた人には申し訳ありません。
普通にパソコンがあって電話が鳴ります。「プリンターの紙なくなったんだけど?」とか言っています。
もう一つ「この人いいな」と思うのが、分からないことを変に知ったふりしない人です。
未経験なのに「だいたい分かります」と言う人より、「全然分からないので教えてください」と言える人のほうが、僕は安心します。
知らない業界に入るんだから、知らなくて当然なんです。
風俗業界には独特な言葉もありますし、お店によって仕事のやり方も違います。最初から全部知っている人なんてほぼいません。それなのに分かったふりをすると、後でだいたい事故ります。
これは別に風俗店だけの話でもなくて、家電量販店で「このケーブル使えますか?」と聞いたとき、店員さんが10秒くらい箱を眺めてから「使えます」と言って、家に帰ったら全然使えなかったときのあの感じです。
分からないなら聞いてくれ!こっちはもう家に帰ってしまったんだ!
仕事でも同じで、「これってどうするんでしたっけ」と聞いてくれれば30秒で終わる話が、自己流で進めて30分の修正になることがあります。
だから質問できる人はそれだけで強いです。
あと、ちょっと意外かもしれませんが、機嫌が安定している人もかなりありがたいです。
いつもニコニコしていろという意味ではありません。人間なので眠い日もありますし、出勤中、目の前でバスが行ってしまって少し腹が立つ日もあります。
ただ、その日の気分をそのまま周りにぶつけない人がいいです。
忙しくなると、電話も鳴るし、連絡も増えるし、「これお願いします」が同じ時間に重なることがあります。そんなときに一人が露骨にイライラし始めると、職場全体が変な空気になります。
学校でもありませんでしたか?先生が明らかに機嫌悪くて、クラス全員が「今日これ質問したら怒られるかな」と様子を見ている日。
たまにはいいんですけど、あれを毎日やられると結構疲れます。
だから、すごく明るくなくてもいいんです。「忙しいですね~笑」とか言いながら普通に仕事できる人のほうが一緒に働きやすい。
そして一番採用したいのは、「ちゃんと働いて、ちゃんと稼ぎたい」と思っている人です。
ものすごく立派な志望動機はいりません。
「この業界を変えたいです」とか、「お客様に最高の感動を届けたいです」とか、もちろん本当にそう思っているならいいんですが、面接でそこまで大きな話をされると、こっちも急に背筋が伸びます。
別に「給料が今より良さそうだった」「今の仕事より頑張った分が返ってきそうだった」「そろそろちゃんと稼ぎたい」でもいいと思います。
むしろそのくらいの理由で入ってきて、働きながら仕事を覚えていく人は普通にいます。
最初から風俗業界に憧れていました、という人のほうが少ないです。
もし子どもの頃に将来の夢を書く紙へ「風俗店スタッフ」と書いていた人がいたらちょっと心配します。先生もお母さんもびっくりよ!
大人になって仕事を探していると、「自分に向いている仕事って何なんだろう」と考えることがあります。
でも実際には、向いているかどうかなんて働いてみないと分からないことも多いです。
接客が苦手だと思っていた人が意外と電話対応は得意だったり、パソコンが苦手だった人が毎日触っているうちに普通に使えるようになったりします。
逆に、話すのが得意だから向いていると思っていた人が、細かい確認作業で苦戦することもあります。
だから面接で見ているのも、「完成された人かどうか」ではありません。
そのへんです。
なんだか書いていて、採用条件がだんだん「ちゃんと来る人」に近づいてきましたが、案外そんなものなのかもしれません。
仕事というと資格とか経験とか、何か分かりやすい武器を持っていないといけない感じがします。でも、毎日ちゃんと来て、少しずつ覚えて、ミスしたら次は気をつける。
それを半年、一年続けられる人は、最初に思っていたよりずっと仕事ができるようになります。
風俗店の男性スタッフも、普通の仕事とそんなに変わりません。
業界ならではのことはもちろんありますし、最初は知らないことも多いです。
でも、「特別な人しか働けない世界」ではありません。
求人を見ながら、「難しそうな職場なのかな」と思っている人がいるなら、そこまで気にしなくていいと思います。
時間を守れる。普通に挨拶できる。分からなかったら聞ける。仕事を覚えようと思える。
もしそのあたりに「まあ、それくらいならできるな」と思ったなら
意外とこの仕事は向いているのかもしれません。
少なくとも面接する側からすると、そういう人が来たら結構うれしいです。
履歴書を見ながら心の中で「あ、この人ちゃんとしてそうだな」と思っています。
即採用したい人というと、ものすごい経歴を持ったスーパー人材を想像するかもしれませんが、現場で本当にありがたいのは、案外こういう普通の人です。
そして普通に働いて、普通よりちょっと多く稼げるなら、それはそれで悪くない仕事だなと思います(思っています)。