
人間は、慣れてくると前の時代には戻れなくなりますよね。
そういう意味では、人間の「根性」はどんどんなくなっていると言えます。
暑さや寒さに耐えることは、なかなか難しくなっています。
誰だって、クーラーや暖房がない時代には戻れませんからね。
メールやLINEに慣れてしまうと、手紙でやりとりしていた時代にも戻れません。
それは当たり前のことなのに、「忍耐が足りない」「根性がない」などと言って若者を非難する老人がいます。
とても残念な思考ですよね。
「忍耐力」がなくなったことで、生きづらさを抱えてしまう人もいると思ったからです。その代表格が、「悪口」です。
直接、悪口を言われる場面は、少なくなってきています。
教師が生徒に暴言を吐くことも、親が子どもを怒鳴りつけることも、友達同士が激しい口論や殴り合いをすることも、徐々に減ってきています。
つねに自分に対して悪口を言われる可能性があることを受け入れておきましょう。
そして、それが向けられたときは、「犬に吠えられている」と考えるのです。
犬に吠えられたときは、「犬に吠えられている」と考えますよね?
「なぜ、この犬は私に吠えるんだろう?」
「私の行いの何がいけなかったんだろう?」
「どうしたら吠えなくなるだろう…」などと、くよくよといつまでも考え込むような人は、おそらくいないと思います。
翌日も、翌々日も、「なぜ、あの犬は私に吠えたんだろう……」とショックになる人もいないと思います。
悪口なんて、その程度のものです。
相手は、一瞬の快楽や開放感のために、悪口を言ったにすぎません。
あなたを傷つけて精神的に追い詰めようとはしていません。
だから、そんなものに、いつまでも自分の時間や精神をすり減らされる必要はありません。とはいえ、言葉は頭に残ってしまいますから、反芻してしまうのが人間の弱みです。
そのときに、つねに「犬が吠えている」と、意識を切り替えてください。そうやってしのぐしか方法はありません。
自分を守る武器として、持っておいてほしいなと思います。