今日の寒さ、まるで冬の海楼石。
出勤する途中で「あ〜これ絶対鍋の天気だわ」と悟ってしまい、店に着くなりスタッフに宣言した。
「おいみんなァ!!今日は鍋を食うぞォ!!」
するとスタッフAが言う。
「神山さん、仕事中なんで鍋の宴は終わってからでお願いします」
正論すぎて何も言えない。
でも俺の心の中のルフィが叫ぶ。
“仲間と鍋をつつく時間が、一番の宝だろ!!”
具材を何にするかで、まるで偉大なる航路の会議みたいに盛り上がる。
スタッフB
「白菜は絶対必要です!」
スタッフC
「いや、肉団子こそ主役だろ!」
俺
「どっちもだァ!!全部ぶち込めェ!!」
もはや完全に船上の宴。
ただしまだ鍋がない。仕事中だから。
でも約束した。
今日の営業終わり、我々は必ず鍋を囲むと。
鍋は仲間を強くする。
そして野菜はだいたい溶ける。
そんなこんなで仕事がむしろ捗った1日だった。
宴は近い。鍋は俺たちを待っている。
