スターグループの一号店は大阪の日本橋でスタートしました。
当時の従業員は自分一人であったため、ドライバーを必要とするデリバリー型での営業も物理的に難しく、待ち合わせ型という業態でスタートを切りました。
資金にも余裕がなかったため、パソコンや車、プリンターから机や椅子、そしてボールペンといった事務用品まで、ありとあらゆる事務所の備品は自分の家から運びました。
全く何もない無名店であり、弱小店には、オープン当日まで女性は一人も集まりませんでした。
オープン当日、やっと女性が一人入店。
そして電話が3本鳴りました。
うち、一人はお客様、残りの2本の電話は他店からの明らかな嫌がらせ、冷やかしの電話で、後ろから笑い声が聞こえました。
そして二日目・・・女性出勤はゼロ、お客様からの電話もゼロ・・・
この時に生まれた大切な価値観
壊滅的な状態でしたが、無名の弱小風俗店でありましたし、この結果は予想できるものでした。
その時のスターグループを支えた考え方は、今もこの会社に根付く。
「当たり前のことを当たり前に行う」というものです。
どんなに今お客様が少なくても、来てくれたお客様に満足していただければ、時間の経過と共に必ず忙しくなっていく。
今一日に100名のお客様が利用されるお店にも、200名のお客様が利用されるお店にも、必ず追いつく時期が来るという考えを女性と共に共有し、たった一人、二人のお客様を日々大切にしていこうという明るい空気が事務所内には常にありました。
小さな店にしかない特有の団結力が、事務所内には生まれていたのです。
支えてくれたのは全て人
そんな女性の努力もあり、少しずつではありますが利用されるお客様の数が増え出しました。
それと同時に、この女性達の為にもという想いで、お店の利益は全て広告費用に投入しました。
当時は、ローションを購入するお金も節約するために、全てオイルで代用していた、そんな時期のことです。
広告を増やすと言っても、増やせるだけのお金に余裕があるわけでもなく、一番小さい枠の一回分だけ新聞広告を打たせてほしいと言った時には、営業マンが鼻で笑い、そのまま帰っていったこともありました。
ただ、こうした経験から得た、無駄のない投資や、成果をしっかりと見極め物事を判断するという考え方は、今のスターグループにとって良い意味で生き続けています。
この境遇でこそ分かったこと、この境遇でこそ得られた経験が、見栄を張らない無駄のない経営を教えてくれたのです。
そして一号店のオープンから3か月後には二号店になる京都店のオープン。
まだまだ身の丈に合わない系列店のオープンは、幼稚園生がランドセルを背負うような状態でした。
しかし、そこでも女性、そして男子スタッフがしっかりと踏ん張り、スターグループの足元が揺らがないように日々奮闘し続けました。
まだ何も先が見えなかった弱小風俗店であるスターグループに入社してくれた男子スタッフの並々ならぬ努力が、今のスターグループを作ったのです。