私は46歳の時、己の限界を悟り、武道への感謝を形にするため、ある修行を始めた。
それは、「感謝の正拳突き」と呼ばれるもので、
毎日1万回の正拳突きを、祈りの所作を込めて行うというものだった。
感謝の正拳突き1万回。初日は18時間以上かかった。
それでも私は毎日続けた。
1年経つ頃には5時間で終えるようになり、
2年後には1時間を切った。
その頃には、突き終えた後の祈りが、自然と感謝の念を伴うようになっていた。
この修行により、私は常人の域を超えた速度と威力を身につけ、
やがて「百式観音」という念能力を開花させるに至る。