
暑さに体力を削られて、クーラーに内臓を冷やされて、気づけばなんとなく元気が出ない。そんな夜が増えてきました。
このあいだ、そんな状態でふらっと入ったお店で、「汽鍋(きなべ)」という料理に出会いました。
薬膳と一緒に蒸しあげる陶器の鍋料理で、最初鍋の中には食材以外入れずに、蒸し上げた蒸気が鍋の中で食材の旨味を引き出しスープになるそうです。
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クコの実、生姜や鶏肉、そして見たことない草たち。どれもが「食べて整える」ためにそこにいる感じがして、ひとくちごとに身体が静かにほぐれていくのが分かりました。
夏って、本当は“がんばる季節”じゃないのかもしれない。
むしろ「調子が出ない」を受け入れるほうが、うまく過ごせる気がします。
薬膳のやさしい苦みと、汽鍋のゆっくりとした蒸気。この夏は、自分にあった“整え方”をひとつ持っておくのも悪くないな、と思いました。