このポルシェ、何かと手はかかるけど、走ればやっぱり最高。
ただまあ、定期的に整備工場に連れていかないとご機嫌を損ねる、まさに“手のかかる子”。
そんなわけで、朝イチでディーラーへ。
受付のお姉さんに「代車をご用意しております」と言われ、出てきたのは……人生初の電気自動車だった。
聞いてないよ!? ってちょっと思ったけど、まあこれも経験かと、お肉ちゃんは素直にハンドルを握ることにした。
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エンジン音がしないのが、まず不安。
「え、これ……動いてるの?」と、駐車場で一人つぶやく私。
アクセルをそっと踏んでみると、ぬるりと前に進む。なんだこの静かでスムーズな感じ。
例えるなら、シルクのスカーフの上をスケートで滑ってるみたいな、そんな走り出し。
それにしても静かすぎる。
信号待ちで耳をすますと、自分の胃の音の方がうるさい。
これはこれで、落ち着かない。
走っているうちに、ブレーキの効きや回生ブレーキ(っていうの?)のクセにも少しずつ慣れてきた。
でも、正直まだアクセルの加減がわからない。
グイッと踏むと、思ったより前に出る。
いや、お肉ちゃん、そんなに急いでないから……!
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一番の衝撃は「充電」の存在だった。
帰り道、ふとメーターを見ると、残り走行可能距離が50km。
「まぁ大丈夫か」と思ったけど、頭をよぎる“充電スタンドどこ問題”。
ガソリン車みたいに、どこでもパッと補給できるわけじゃないのね。
慌ててスマホで「EV 充電ステーション 近く」と検索しながらの運転。
これが、けっこうストレス。
この時初めて、エネルギー補給に“計画性”が求められる車なんだと実感した