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2025/11/06 (木) 12:00

[後編] 友達1000人の少年が風俗王になるまで。業界オーサーが語る波瀾万丈の人生

[後編] 友達1000人の少年が風俗王になるまで。業界オーサーが語る波瀾万丈の人生

『ウルトラグループ』創業者インタビュー

全国的な知名度を誇る風俗グループ『ウルトラグループ』。こちらの創業者であり、会長である淺奥さんにインタビュー。今回は前回のインタビュー前編から引き続き、独立してから現在までのお話、そしてスタッフの育成方法や本気でやり直したい人へのアドバイスもお聞きしています。

どの時代においても「ずっと困っている人におせっかいする」人生だという淺奥さんの半生の後編をお届けします。

[東京]ウルトラグループ会長
淺奥さん(64歳)
新宿・歌舞伎町/デリヘル
『ウルトラプラチナム』スタッフ求人ページ

パソコン初心者の自作HPで売上低迷からの逆転劇

 JH編集部:独立した後のデリへルの方はあまりうまくいかなかったんですよね?

淺奧さん:全然うまくいかなかったですね。2店舗目は5年くらいやったんですけど、そのお店がもうヤバかったんです。NO.1が飛ぶとかトラブル続きで、「これはいかんな」と正月から自分で現場に入って立て直すと決めました。

ちょうど他の情報サイトの営業マンから、『ホームページだけで新規のお客さんが50人来たお店がある』と聞いて。うちは低迷中だったので「じゃあ、ホームページ作る!」と、ホームページビルダーを使って自分でホームページを作りました。
ちょうど独立の時にパソコンを買っていたんです。それまで全然触ったこともなかったんですけどね。


JH編集部:ご自身で⁉めちゃくちゃ凄いですね。

淺奧さん:色んな所に電話して、「クリックって何?」とか「ダブルクリックはどうなの?」「リンクって何?」と聞きながら作りました。2000年くらいだったと思います。その時、びっくりするくらいお客さんが来たんですよ。

それで、what's new(新着情報)を更新しよう!と。とにかくwhat's newでwhat's newばっかり。
そしたら求人も動き出して『今、面接の電話が入りました。』 『何時に高田馬場に来るそうです。』『あ、高田馬場駅に到着です。』
それで女の子が来たらすぐに写真を撮って、すぐにモザイクをかけて、「新人はこの子です!」とホームページで紹介したら電話が鳴り止まないんですよ。

JH編集部:へぇー!!!

淺奧さん:低迷から一転、お客さんが来すぎて、ダンボールにお金を入れなきゃいけないんじゃないかぐらいに儲かって。お金がドーン!って。儲かりました。

JH編集部:淺奥さんが独立した時は、スタートからインターネットだったんですね。

淺奧さん:そうなんです。でも当時はほとんどが雑誌中心の宣伝だった。

JH編集部:ホームページ作って、更新したら来店数が増えたと。

淺奧さん: めちゃくちゃ来たんですよ。ホームページで紹介したら5分以内に電話が鳴り止まなくなる。それに雑誌だと綺麗な子じゃないと勝負できないじゃないですか?そうじゃない子は雑誌で小さい枠でしか扱ってもらえない。でもネットならモザイクも入れられる。だからもう、めちゃめちゃ鳴るんですよ。

JH編集部:2店舗目で一番儲かっていた時はどのくらいですか?

淺奧さん:月収1,000万円くらいですね。自分で立ち上げた2店舗目の成功で年収は1億円を超えていました。

ウルトラのはじまり。タイミングと戦略が重なり、大型グループへ

 (風営法改正のタイミングで以前のお店は終了)

JH編集部:その後出したお店がウルトラグレイスですか?

淺奧さん:最初まったく違う名前です。いろいろ変わって、グレイスになって、ウルトラグレイスになって、ウルトラグレイス24になった。

当時、今のOSセンターに入りましたが、その前は某老舗マンションで部屋を借りていたんです。不動産屋さんには「何に使ってもいい」と言われていたのに、1ヶ月もしないうちに「出ていってほしい」と。
次に借りたのがOSセンター。「ここなら絶対大丈夫。ものすごく安くしますから」と言われて、最初は2部屋借りました。

そしたら、しょっちゅう入管が来て、不法滞在者らしき人達がどんどん連れていかれるんですよ。それで、部屋が空くたびに借りていったら、結果的に全部借りることになったんです。

当時のスタッフとも話して、『この風営法改正は、これは"人数"だ』『出勤人数だ』と。『部屋を何個押さえるかが勝負だ』と。だから朝9時から、女の子を20人出勤させよう、と。そのタイミングで、2店舗目が閉店になった分を合体させて、けっこうジャンボなお店になりました。

JH編集部:へぇー!そういう経緯があったんですね。

淺奧さん:だから、そこで全部押さえちゃおうって。新大久保ってホテルがいっぱいあるじゃないですか。最初からドン!といって、朝20人出勤を揃えたら、あっちも盛り上がって、こっちも盛り上がって。

JH編集部:ウルトラグループという名称になったのはいつ頃ですか?

淺奧さん:3、4年前です。もともとはU&Gグループで、GはグレイスのGです。

JH編集部:ウルトラグループの名前の由来はあるんですか?

淺奧さん:全然ないです。最初はU&Gでした。それからウルトラグループにしたかったんですけど。他のお店もいろいろありました。

JH編集部:道を作って誰かに渡していく、という事を何度もされてきましたね。

淺奧さん:僕はそういう事をずっと。昔から同じことをやっているんです。いろいろあるから、人間難しいなと思いますよ。まあ、そういうのが好きですからいいんですけど。

JH編集部:事前アンケートでターニングポイントになった試練は?という問いに対して『裏切り』と回答しています。

淺奧さん:『裏切り』というのはもう裏切りの連続ですよね。勤めたお店の時もそうですし。
ただ、僕は裏切られることがあっても裏切らないので。

本気でやり直したい人たちのために

 JH編集部:スタッフの採用で、ここを重視するというポイントはありますか?

淺奥さん:他でクビになった人を積極的に採用します。

JH編集部:弱者救済にもつながりますか?

淺奥さん:そうですね。弱者救済でもありますし、その人と話をして『自分を変える気があるのか』を確認します。だけど、成功していると思っている人は自分を変える気がないと思います。まあそうですね、応募者は……まあまあ失敗していると思う。

JH編集部:変える意思があるかどうかは面接で確認するんですか?

淺奥さん:そうです。僕が直接会って話をしないと分からないです。

JH編集部:業界未経験でも大丈夫ですか?

淺奥さん:全然大丈夫です、はい。挫折経験がなくてもいいんですが、普通の仕事を辞めて風俗に来ているという時点で、まあ挫折していますよね。
風俗ってもう最悪の仕事ですから。だって、有害職業に認定されてるんですよ(笑)。やばくないですか? 地裁でそれの判決が出ているんです。

ひどいですよね。本来ならそこを問題提起したいんですがね。
だけど風俗がね、「正々堂々と明るい職業です!」という風になるのは、日本はそうなってほしくないなっていうのが僕はあるんで。まぁ日陰の存在でいいのかなとは思いますけどね。

人材育成。「今だけ金だけ、自分だけ」が一番ダメ

JH編集部:スタッフの評価や育成はどう取り組んでいますか?

淺奥さん:識学(※)でやっています。
※識学…感論理的なルールで組織を適正化し、成果を出す手法。安藤広大氏が提唱し、関連書籍はベストセラー。

JH編集部:識学は何を評価する感じですか?

淺奥さん:数字で評価します。KPIに似ていますが、うちは少し捻って独自にしています。で、風俗って特殊じゃないですか?売るものが自分の信念みたいな。女の子が売り物というより『女の子の思いやりが売り物』なんで。やっぱり気持ちなんですよね。

その逆が『今だけ金だけ、自分だけ』。それが一番ダメなパターンです。
自分じゃなくて相手、そういうのが自然とできている人は、うまくいきます。『自分じゃなくて相手』を数字にできるのが識学。これが数字に変換できなかったのでずっと苦しんでいたんです。

スタッフが背中で『どれだけお客さんと女の子を大事にしているか』を伝え続けると、女の子も『お客さんを大事にしよう、自分が気に入られなくてもお店に返ってくるように頑張ろう!』みたいになりますね。

JH編集部:なかなかできないですよね。

淺奥さん:むちゃくちゃシャカリキやっていますからね。ただ100人いたら100人同じ理念になるかというと、至らないところは抜けていっちゃいますね。

JH編集部:キャストさんは今1000人ぐらいですか?

淺奥さん:1000人くらいいると思います。入店した女の子に聞くと『1日で入店祝い金もらって辞めようとしたけど、みんなが良い人なので続いてます』みたいな子もまぁまぁいます。AI時代になっても、そこは変わらないと思う。

JH編集部:これからソフト面の方がより大事になりそうですね。

淺奥さん:はい。風俗って、やっぱりトラブルを抱えている人が来ることが多いので。

JH編集部:入社して人生が前向きになった方はいますか?

淺奥さん:そういう人しかいません。

『自分のため』に生きていると傷つきやすい。『僕はこんなに一生懸命やっているのに!』ってなっちゃう。

でも『店長や女の子のためになっている』と言われると『もっと教えてください』ってなる。自分が褒められたいからやっていると『なぜこんなに言われなきゃいけないんだ』って反発する。

この話ができれば『もっと楽な生き方があるんだ』と気づける。みんな苦しんでいるんですよね。

JH編集部:グループが全国的に認知度が上がってきた時期はいつ頃でしたか?

淺奥さん:『行列ができる風俗店』で取り上げられた時ですかね。イベントで400数十人来て、受付まで30分もかかったので、お客さんが怒って帰った時があったんですよ。

JH編集部:ウルトラグループの今後3年~5年の目標はありますか?

淺奥さん:もっと店舗展開していきたいです。

ヘブンネット会員からの質問 後半

 前半に続き、ヘブンネット会員からの質問に、淺奥さんにお答えいただきます。

Q:『売れっ子キャストの特徴や求められる人柄はありますか?』

淺奥さん:うーん、どうなんですかね。昔ね、最初に入ったお店で性感エステの講習をしなきゃいけなかったんです。その時に、面接も僕、講習も僕。
部屋の入り口に立って、全員フリーのお客さんにアンケートを取っていました。それを5年くらいやっていたんです。
そしたら、5分くらい面接で話をすると、この子は指名を何本取るなというのがほぼ99.9%ぐらい当てられるようになりました。この子は『こういうクレームが来るな』というのもだいたいわかった。後々その経験に本当に助けられましたね。

売れっ子キャストは……言葉にするのもあれですけど、雰囲気で分かるんですけどね。だけどやっぱり気遣いです。気遣いがまずできる女の子ですね。


Q:『パネルマジックのない店づくりは可能ですか?』

淺奥さん:パネマジなし、っていうのは無理ですよね、おそらく。だけどそれが無くなったからホテへルが減少したんじゃないですか?今はユーザーさんは写メ日記で決めていると思いますよ。パネマジをここまで減少できたのはヘブンネットのおかげじゃないですか?

うちはそもそも、アンケートが悪いと全額返金ですからね。
だけどこれができないお店もある。割引や全額返金はスタッフの不正の温床になると考えるオーナーもいる。返金をやりまくっているのは、うちぐらいですよね。
ヘブンネットのネット予約になっちゃったら、それは不正しようがないですもんね。
やっぱり、産業革命とかIT革命、今で言うAI革命みたいに、テクノロジーがやっぱり時代を引っ張るので。風俗界における、ヘブンネットの功績はかなり大きいんじゃないですか。時代を変えていますよね。




■最後にヘブンネット・ジョブへブン会員にメッセージを

JH編集部:最後に、風俗業界に挑戦したい方、業界内で転職したい方にメッセージをお願いいたします。

淺奥さん: お客さんも喜ぶ、女の子も喜ぶ、お店も儲かるっていう素晴らしい職業なので、ぜひ、人を喜ばせたい方はやった方がいいと思います。

JH編集部:どうもありがとうございました。

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